「ムービー」≠ ”movie”!? video, filmとはどう違う?

最近、エアコンの効きすぎたカフェでジャケット着てスカーフ巻いていたら、友人に「お前の席だけ雪国みたいだな」と言われてしまいました。フィリピンにだって冬はある!こんにちは、エアコン不耐性の武田です。

ここ数年、YouTubeやTwitter、Facebookなどの動画が国境や言語の壁を超えて世界中に共有・拡散されるようになってきました。インターネットやデバイスの大容量化にともない、文字や画像中心のコミュニケーションから動画中心のコミュニケーションに移ってきたことで、言葉がなくても伝わることも増えてきましたし、特にYouTubeは字幕の自動生成や翻訳に力を入れているので世界中の人が同じ情報を瞬時に共有できるようになってきました。

それと同時に、ユーチューバーや、私の周辺でも英語で情報を発信、共有する日本の方が増えてきました。違う言語で情報を発信するのは非常に勇気とやる気のいることで、一昔前まではいわゆる「バイリンガル」と呼ばれる人たちに限られていたのが、英語で恐れず情報発信できるようになってきたのは大きな変化だと感じています。

ところで、母語でない言葉を使っていれば当然間違いは起こります。英語圏に4年住んで外資系で5年働いた私でも間違えることはありますし、日本人だって時々日本語を間違えたり国語辞典を確認したりするわけですから、間違えることはさほど問題ではありません。ただ、最近かなり多くの方が同じ間違いをしているのが目につくようになりました。他のことはたいして気にならないのに、どうしてかこれだけはとーっても気になってしまうもので、記事を書くことにしました。

それは、ずばり!

「YouTubeやSNSの動画はmovieではありません!」

日本では携帯電話会社やカメラメーカーが新しい横文字を使いたがったせいで、デジタル動画に対して「ムービー」なる言葉が定着しています。「視聴者からの投稿ムービー」なんて、テレビでも言っている気もします。では本当は?

video“です。

ビデオというとついついVHSを連想してしまいがちですが、英語ではデジタル時代でも「video」が現役です。iPhoneなどは「ビデオ」となっているので、ついつい「ムービー」と言ってしまうのは日常的にビデオカメラやガラケーを使っていた世代でしょうか?

他に「film」という単語もあります。大雑把に分けると、以下のようになります。

  • 「動画」= video (YouTube video, smartphone video)
  • 「映画」= movie (movie theater, horror movie)
  • 「映像作品」= film (documentary film, short film)

filmの方が少々固い言い方になりますが、movieとfilmは置き換え可能なことも多いです。Hollywood movieとHollywood film、どちらも間違いではありません。エンターテイメントとして言及する時にはmovie、芸術作品として言及するときにはfilmということが多いでしょうか。例えば、映画祭はfilm festivalです。

一方で、特に芸術性や作品性、ストーリー性の込められていない動画はvideoと呼ばれ、先の二つとは完全に別枠です。「上映」という言葉が似合わない動画は概ねvideoと呼んで間違い無いでしょう。

また、videoの中でも特にジャーナリズム的な価値のある映像記録(実録映像、編集・構成をほとんどしていないもの)に関してはfootage(フッテージ)という言い方もあります。

つまるところ、一般の人がスマホで撮影したような「ムービー」はmovieではなくvideoと呼ばれることになります。極論、YouTubeにあるメディアの9割以上はmovieではなくvideoです。著名ユーチューバーの動画など作品と呼べるものもあるかもしれませんが、本人達もvideoと呼んでいますので、videoが正解でしょう。“Everybody please watch this movie!”なんて言われると、1時間超の大作を期待してしまうかもしれません。

(ただ細かい話をすると、Windows Movie Makerなんていう映像編集ソフト(video editor)もあったりしましたから、「SNSの動画=video」という用語が定着したのは割と最近のことかもしれません。)

せっかくシェアするのですから、みんなに気軽にみてもらうためにも、ぜひ今度からは「video」という言葉を使ってみてください。

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